消防設備は命を守る最後の砦。
万が一の時に確実に作動するよう、
掃除まで徹底し、点検・整備を行います。
私の担当は、ビルやマンションの消防設備の点検・工事です。
いざという時に人の命を守るための設備を、日々点検しています。一般の方にも分かりやすく言えば、「建物の車検」のようなもの。消防法で定められた周期で点検や改修を行う必要があり、その重要性をオーナーさまや管理組合の方に丁寧に説明しながら進めています。ときには理事会や総会に出席し、直接ご理解をいただくこともあります。
この仕事でのこだわりは、点検や修理だけでなく「掃除」にまで気を配ること。
消防設備というのは、できれば一生使われないほうがいい。何も起こらないのが一番です。
けれど、万が一のときには、確実に作動することが求められます。以前、火災報知ベルが鳴らず、子ども2人が逃げ遅れて亡くなったという痛ましい事故がありました。もしベルが鳴っていれば――そう思うと、消防設備点検の一つひとつに命がかかっていることを痛感します。
だからこそ、「シールを貼って終わり」ではなく、細部まできれいに整え、万全の状態に保つことを大切にしています。ハッチを開けて掃除をしていると、腰が痛くなることもあります。それでも、そうした地道な作業の積み重ねこそが、安心を支える礎になる。同じ志を持つ仲間が揃っているので、現場のクオリティも自然と高くなります。
やりがいは、まさに「縁の下の力持ち」のような存在であること。いざ火災が起きた時に、自分が担当した建物の消防設備がしっかり作動し、人の命を守る――。そのために日々点検を行っています。
建物ごとに設備の構造や性能は異なりますが、どんな現場でも最大限の消防設備のパフォーマンスを発揮できるよう整えることが使命です。例えば、ホースを引き出し、きれいに拭き上げ、ひび割れがないかを一つずつ確認する。それは私にとって当たり前のこと。ただ、当たり前のことを、当たり前に、誠実に積み重ねていく――。その地道な努力の先に、誰かの「無事」があるのだと思います。